地球日記

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週刊 三十一歌詞火星レコードHOME 

【2005年3月】

■DVDと本

 合間をぬって本読んだり、DVD見たりもしてる。
 DVDは『歌え!ジャニス・ジョップリンのように』というフランスの映画。ドラッグでボケて
しまったいとこから金をだまし取るため彼の崇拝するジャニスに扮するうちに平凡な主婦の人生
が輝き始め云々かんぬん。疲れてるんで説明が雑。格好から入る事の意外な効果については思う
ところもあるんだけど、そのうち原稿にでも書くかな。しかしこの邦題はひどい。これじゃ見る
のに勇気がいるね。
 本はリチャード・ノース・パターソンの2作め『子供の眼』。案の定、これはマズイと思うく
らい面白くて色んな進行が送れたね。法定ものはハードボイルドと似てる。馬鹿なやつとか嫌
なやつとか出し、読み手に「こいつをヒ−ヒ−言わせてくれ」と思わせておいてぶちのめす。
それが暴力か言葉かの違い。そのツボを良く押さえてる。それとG・M・フォード『憤怒』。
薬物による死刑は苦痛がないというのは嘘だったんだな。苦痛の声が出せない状態にある
だけで。


2005/03/01

 

■ツアーだよ

 3月なのに大雪かよ。大丈夫か。無事着けるのか。
 堤家崩壊。西武の汚いやり口というのは昔からみんな知ってたはずで、本当は遅くとも10年
以上前に崩壊してなきゃいかんかった。誰もがありゃ駄目だとわかってるのになあなあで野放
しにされてる事が多すぎる。例えば自民党にしてもとっくに耐用年数が過ぎているのに、まだ
必要なんて幻想を必死に引きずろうとする。ぶっ壊すつもりなら外に出なきゃね。あの時小泉
が変な人気を得ちゃったせいで今まさに10年遅れてるところ。


2005/03/02

 

■発熱

 風邪で発熱。病院へ。市販の薬が効いたのか、すでにほぼ平熱だったが念のため。薬を4種
出してもらう。鼻づまりはひどい。体が重いのは気合いで乗り切ったとしても声が持つのか。
やってみるしかない。


2005/03/03

 

■広島

  熱がある気もするがはかるとテンションが下がるのではからずに出かける。本当に雪だ。
 午前中は欠航もあったようだが、この時間は普通に飛んでいた。広島へ。ぼんじ車で会場。
 本番が始まって、すぐに覚悟していた以上に治っていない事を自覚。鼻声ながら声は出る。
もともと鼻声みたいな声質なのであまり気づかれてないようだ。薬を馬鹿飲みしてるせいか
やや頭がぼんやりして歌詞が飛ぶ事が多かった。MCは、ほぼうわ言。それでもえらいもんで
『白旗カーニバル』『ヴィヲロン』『でくのぼう』の流れでは勝手にスイッチが入る。
ふらふらだけど。なんとか良いライブがやれたのではなかろうか。歌詞間違いが多かったのが
申し訳なかったけど。「暖かい目で見てもらって・・・、ありがとう」というのは今日の本音。
 物販を終え、車に乗ると寒気。ぶり返したようだ。山口まで。


2005/03/04

 

■山口

 熱は下がったようだ。鼻づまりは変わらず。  山口カフェド・ダダ。ラグタイムから場所は
変わらず。横にやや広くなった。生ピアノは気持ち良い。楽に歌える。  地元だからといって
特に意識するわけではないが、やはり自分の中で何かが変わるようだ。山口県の空気というもの
があって、それが呼び覚ますのかも知れない。例えば文化祭とかコンテストとか夏祭りとか、
人前で演る喜びの極めてピュアな部分。今日も我ながら良いライブをやったと思うのだが
「良い」の意味が他とちょっと違う気がする。他県からでも、わざわざ見に来る甲斐があると
思うな。 調子が良かったぶん、咽の負担が大きかったかも。
昨日もそうだが、マイクの前にいる時だけ鼻づまりが治っている。人間の体は不思議だ。


2005/03/05

 

■福岡

 体が重いが、これは疲れのせいだろう。もう熱があがる事はないと思う。
 福岡ドリーム・ボート。去年に続き2回め。やり安いではなく、やり心地の良い会場。しかし
声は厳しい。普段の潰れ方ならなんとかなるが、風邪で弱ってる所への声枯れはいかんとも
しがたい。なぜかEだけが出ない。その前後は出るのだが。こういう時の対処法はひとつしかな
いのだ。「声が出ないぶん、より汗をかき、より身を削る事」
 そのようにした。最初、さぐりつつ必死だったが、『芋虫ロック』から単に楽しくなってき
た。「今日でとりあえず終わりだし、潰しきっても良いや」もあって、全開。客にのせられた
のかも。博多の客は早くもツボを押さえたなぁという感触。声が完全ではない以上、100点満
点のステージと言うわけにはいかないが、点数以上の何かを伝えられたんじゃなかろうか。
 打ち上げも気分よく朝方まで。4時頃、突然エンジンが止まった感があってホテルへ。

 今日はライブ中ふと「どうしたって、ここがいわゆるホームなんだなぁ」と思った。


2005/03/06

 

■帰京

 飛行場で澄ちゃんが「アコースティックの、特に西日本のツアーは楽しいね」と。同感。
ツアーというより旅。風邪のせいで24時間必死だったけど、乗り切ってみれば楽しかった記憶
しかない。
 帰ったらもう次の始まり。人は生きてる限り始まり続ける。

2005/03/07

 

■甘いもの

 高円寺のフリー・マガジン、ショウ・オフの対談。俺は甘いもの好きではあるが、それは
あくまでも食事の一環としての甘いもの好きであって、甘いもの好き=スィーツ好き=お菓子
好きの文脈でとらえられると迷惑である事を主張。言いたい事が良くわからんかね?


2005/03/08

 

■3/10

 3月10日だ。日にちでライブを決めると平日になってしまうのでやらなくなったけど、おっ
水戸の日だと思ってしまうよ。ゴロ合わせって一度すりこんじゃうと抜けないね。ぐるっと回
って再び週末にかかるようになったら、この日にライブをやろう。
 連載をさせてもらってる『アクアディウム』の取材。次々号に載るんだと思う。


2005/03/10

 

■ブッシュの電話

 俺は輸血をしちゃいけないらしい。該当期間にロンドンに行ってるから。
 ようするにB.S.Eは感染する病気なのだな。たまたま狂牛病の牛を食った奴は不運という認識
では取り返しがつかない事になるんじゃなかろうか。
 全頭検査は非科学的という論。数字だけ見ればたまたま狂牛病の牛を食ってしまう確率は
交通事故に遭うそれより低いだろう。しかし感染するのだとなると少し話しが違ってくるはず
だが。
 ブッシュ自らに電話されちゃ、いよいよ輸入再開だな。断る気概なんか小泉にあるわけない
もんな。しかしこういう時にノーの一言も言えず、自衛隊は何のために命を的にさらしている
のかね。ほぼ唯一の派遣意義なんじゃないの。
 それとね、輸入再開にあたって農水省の天下り先がひとつ増えるらしい。亡国の小役人め。


2005/03/11

 

■ネグレクト

『ネグレクト/杉山春』小学館
 小学館ノンフィクション大賞作。00年名古屋市近郊のベッドタウンで、3歳の女の子が段ボ
ール箱の中で餓死。若い夫婦のネグレクト=育児放棄の果ての悲劇であった。その深層のルポ
タージュ。
 当時のワイド・ショーなどで浮かんだ冷酷、鬼畜というイメージ。実像は少し違うようだ。
桁外れに愚かであったという事。だからこそ恐い。むしろ冷酷、鬼畜であってくれた方が我々
とは別人種と捉えられる分、気安いかも知れない。この夫婦は突然変異ではなく、我々と地続
きにあるのだ。頻発する児童虐待。なぜそのような事が起きてしまうのか。この極端な事件の
中にその紐解きが隠されている。それはマスコミが好んでやる猟奇的報道からは見えてこない。
しっかり取材をした良作である。
 近ごろの親の質が落ちたとか、やはり女は働くべきではないとか、とんちんかんな説をのた
まう老政治家は全員辞職すべきである。昔の親がすべて立派だったわけではない。ましてや、
すべての女性が家庭に入れば解決するわけでもない。かつて駄目親をフォローしていた社会が、
コミュニティが変わってしまったのだ。児童虐待は親子だけの問題ではない。新システムの
構築がなければ絶対に解決しない。


2005/03/12

 

■ハイ・テンション

 まだウタノコリが終わってないけど、先行して不死鳥のリハをスタート。ミノルのROSSO
ツアーの合間をぬうため。久々にバンドで歌うと思わずテンションが上がる。選曲、曲順と
成功の予感。しかし、長々とやったからでもあるが声が枯れた。くたびれたね。
 この練習場はもう10年以上使ってるが、もともと何も無かった所にコンビニが出来、今また
s うまいラーメン屋が出来。全部俺たちのためにだと思ってる。ありがとう。


2005/03/13

 

■メディア

 フジテレビvsライブドア。いよいよどうでも良くなってきたな。連日トップで報道するほど
の事なんだろうか。メディア内の一大事を世間の一大事のように錯誤している状況ってたまに
あるけど、今回もそれではないかな。とりあえず古館が嬉々として伝えるほどに冷めてゆく。  それと、まったく意味がないのが街頭インタビュー。野次馬的素人意見をいくら集めても
屁の足しにもならんよ。ニュース23の異論反論オブジェクションから本格的に始まったと記憶
するが、このコーナーやめりゃ良いのにとずっと思ってる。
 人権擁護法の美名の下のメディア規制の方がよっぽど一大事のはずだが。「凍結」って、
タネが丸見えの手品みたいな馬鹿の仕方をされて腹が立たないのかね。あれ、通ってしまう
までほっとくんだろうか。


2005/03/14

 

■もう放っておこうと思ったけど

 ポニーキャニオン社長の「堀江はソフトを作った経験がないくせにうんぬん」の発言を聞い
て浮かんだ言葉。厚顔。
 この会社は数年前、バブルがはじけた時に5万枚以下のアーティストを一律に契約解除した。
リストラ策と言えば聞こえは良いが、その中には今は2、3万枚でも育てなきゃいけないアーテ
ィストもいたはず。利益追求するのが企業とはいえ、ソフトを「作ってる」会社には専門的
判断があるべき。数字だけの判断で良いのなら誰だって出来るわな。ソフトを「作ってる」
なんて恥ずかしくて言えんだろう。
 結果、ドラマのお下がりのDVDとCDで儲けてるだけなんだからさ、「金の卵を生む鶏」なん
て誉め過ぎだろうよ。誉められ過ぎを自覚したら、普通照れるもんだがね。


2005/03/16

 

■途中報告

 リハとツアーの準備とその先の準備でめいっぱい。今月中にいくつかお知らせがあります。


2005/03/18

 

■地震だって

 早くもまた福岡に行きますとお知らせしたとたん地震。震度6弱とは東京でもあまり聞か
ない。とりあえず知り合い内には大きな被害はなかったようだが。
 30日には「いやあ、揺れたっすよ」とさんざん聞かされるんだろう。
さんざん聞いてやろう。すべての災いよ、笑える範囲であってくれと心から願う。
天災も、ついでに人災も、ここ最近は度を越してるよ。

 まずは万博で浮かれる名古屋(マンモスはちょっと見たい)と役人に手当て付き放題の
大阪(メガネ代って)で、素晴らしいライブを繰り広げて来ます。


2005/03/20

 

■名古屋

 9時30分、機材車で出発。15時30分名古屋ELL着。意外に万博だらけじゃないね。あのガチ
ャピン&ムックの生まれ損ないみたいなのが氾濫してると思ったんだけど。
 ずっと小さなハコでやってきたので、出だしは客席との物理的距離が気になる。よって出だ
しは、ややさぐり気味。しかし徐々に近づいて、結果的に屈指の盛り上がり。3回目のアン
コールまで。
 青森放送の橋本さんがたまたま出張で来てたので物販をやってもらった。知ってる人が見た
ら面白い風景だったと思う。「部長がモノを売ってるよ」って。
 打ち上げも茂さんと先の話しが出来て楽しかった。今日は充実。


2005/03/21

 

■大阪

 11時30分出発。15時大阪ミューズホール着。  ミューズホールではさんざんやってるんだ
けどアコーステックは始めて。いけるね。気分が良い。珍しく澄ちゃんが3回も弦を切ると
いう事があったけど、関係ないほど。大阪のお客さんはメリハリが効いているから楽にやれる。
のびのびとしてたな、俺。
 ライブ中ふと、このメニューでやるのは今日が最後だと気がついた。なかなか良く出来た
メニューだったと自画自賛。特に『白旗カーニバル』〜『ヴィオロン』〜『でくのぼう』の
流れは屈指。
 ハネ発ちで帰京。朝6時着。実は家を出てから48時間以内なんだけど、ずいぶん長く留守に
した気がする。行程がハードだからかね。


2005/03/22

 

■動いてるよ

 そして昨日今日はあれやこれやで大忙し。中にはずいぶん先の打ち合わせも。まだまだやり
たい事がたくさん。
 そろそろ良かろうと博多の知人に連絡をとってみる。みんな早くも笑える話しに昇華してい
て(少なくとも昇華しようとしていて)ひと安心。震度6と聞いた瞬間は背筋が凍ったけど、
無事なら良い。


2005/03/24

 

■ひっかかる事

 女の子の鼻にかけた声というのは昔から『甘え』を意味するが、最近はファスト・フード
などのバイトの女の子のかなりがこの鼻にかけた声で客に対応する。どうやら彼女らはそれが
フォーマルな発声であると思っているようなのだ。俺が店長なら注意してやるのになぁ。
「よろしかったですか?」と並んで引っかかる事。
 堀江憎しのあまり、とんでもないものを引き入れてしまったんじゃないかな、あれは。
くみし易いという点では堀江の方がまだましのような気がするが。 「焦土作戦」とか
「クラウン・ジュエリー」とか「白馬の騎士」とか。みんなもう、ただ言いたいだけだな、
たぶん。なんかかっちょいい感じだから。


2005/03/25

 

■セグウェイ

 数年前、『ジンジャー』のコードネームで今世紀最大の発明が発表されるとのニュースが
世界を駆け巡った。都市生活を変えるとか、環境保全に貢献するとかのキーワードに固唾を
のんで待ちかまえてみたが、単なる立乗り電動走行車『セグウェイ』だった。あの、世界が
ずっこけた出来事を御記憶か。
 その『セグウェイ』に、某所で乗ってみる機会を得たよ。MCひとネタ分のとてつもない間抜
け感を期待したんだけど、案外快適だった。出来れば東京で定着して欲しいとまで思っちゃ
ったよ。ありえないけど。


2005/03/27

 

■二人リハ

   澄ちゃんとの二人ライブの最終リハ。考えていた以上に面白いライブになりそうだ。
あらかじめ言っておくけど、地震については特に気を遣わないからね。


2005/03/28

 

■20年ぶりの香椎

 いやー、面白かったなぁ。予想以上の『営業』的状況だったけど、それも含め楽しんだよ。
我ながら『営業』もいけるロック歌手ってまれだと思う。みんな遠慮せずに依頼してくれば
良いのに。たぶん気を遣われてるんだろうけど、俺をアーティスト扱いしないでくれよ。
 ライブであるかどうかってのは、その本気度による。澄ちゃんもリズム・マシーン&タンバ
リンで参加したぼんじも本気で楽しんだのでこれもライブだね。


2005/03/31

 

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