地球日記

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週刊 三十一歌詞火星レコードHOME 

【2005年4月】

■いよいよ

 いよいよ『不死鳥〜第二幕』へ向けてスパート。リハをたっぷり。意図したわけではないけ
れど、一年前とはずいぶん違うテイストになった。曲がかぶらないようにするという事を先に
決めたから当たり前か。あんまり好きな言い方じゃないが裏ベストっぽいかな。
『俺たちいつでもロックばか』。去年下北沢251でロティカと対バンした時、打ち上げで盛り
上がって動き出したイベント。振り返って読めばそのような事が書いてあるとはず。俺が忙し
さにかまけて、あっちゃんにほぼ丸投げという小泉ばりの態度に出たためロティカのシリーズ・
ライブの一環という形におさまった。ここまで徹底して同世代バンドで固めたイベントはしば
らく無かったと思う。今だからこそ面白い。それぞれの場所の最前線でやってるわけだから、
単なる同窓会的なものにはならないよ。絶対に。


2005/04/01

 

■告知あり過ぎ

 たまたま告知開始が重なって連日のお知らせ。あれこれありすぎて、逆に「もういいや」と
ならないように。
 5/4のイベントについて。「現在も第一線で元気に活躍する活動歴10年以上のツワモノ達
が大集合。これが今年の“旬”かも!?」。負けたくないと思ったのはタワレコのこのコメント
に対してで、別に共演者がどうこうではない。配信した後で、誤解されるなぁと思ったので、
念のため。
 こんなこと言われちゃねぇ、ちょっと張り切ってみせざるを得ないでしょ。
 あともうひとつ。イチ押しのお知らせが近々ありますよ。


2005/04/03

 

■2割が着マスク

 とりあえずこの季節は外から帰るたびに鼻うがいをしないとやってられない。でも自分が花
粉症なのかどうか自信がない。自信を持つような事じゃないけどね。
 もともとほこりや粉じんに弱くそういう空気の中にいると、てきめんに鼻がぐずぐずする。
おそらく職業病だと思う。他の歌手はどうか知らないけど、鼻の奥辺りまで使って歌っている。
ので、慢性的に軽い鼻炎。
 しかし、今や日本人の2割が花粉症だってね。これはあきらかに林野行政のとりかえしのつか
ない失敗なのに誰も責任をとらない。調べようとすれば、それは誰々であるとまでわかるだろ
うに。たぶんもう死んでるんだろうけど。
 誰かがいけしゃあしゃあと高額の給料と退職金を受け取ったんだね。失敗したくせに図々し
いな。


2005/04/04

 

■『円』

 ウタノコリ・スペシャル〜『円』。青山円形劇場という会場を選んだ時から、ずっとわくわ
くしている。すりばち状の会場で、その底の部分がステージになる。つまり客にぐるりと取り
囲まれ、見下ろされるわけだ。かつて経験のない状況。そこで歌うという事はどんな気分なの
か。想像がつかないからわくわくするのだ。
 内容もスペシャルにする。いつものトリオに楽器演奏者のゲストを数曲括りで加え、いつも
の世界をふくらませる。今、もうひとゲスト当たっているところ。いわゆる有名人ゲストじゃ
ないけど、素晴らしいよ。
 平日の夜だけどね、なんとかして下さい。
 ところで、全席指定って始めてかもな。
 ものまねとダジャレは面白いと思った事がない。たぶん自分の脳内のそれらを面白いと思う
部分が発達してないんだろう。表層と本質のずれを感じ、面白がる部分。
 今日の『ものまね番組』もまともには見ちゃいないんだが、チャンネルを変えてる時にチラ
リと知った事。歌詞テロップが出てるんだね。しかもカラオケみたいに歌ってる箇所がわかる
ような形で。何のため? 茶の間も一緒に歌おうって事? しかし、ものまねだぜ。にせもの
じゃん。


2005/04/05

 

■いよいよ

 やっぱり『不死鳥』は大一番であるね。別に勝ち負けじゃないけど。仕込みや準備で大変だ。
こんなにみっちりリハをやるのも久々。テンションも上がって来たし、良いライブが出来そう
だよ。この大一番を見逃すな。って最後のあおりを入れてみたりした。


2005/04/08

 

■本気

 いやー、またまた素晴らしいライブをやってしまったね。曲順を決めリハでやってみた手応
えから、いけるという予感はあったんだけど、それ以上だった。事前に裏ベスト的な選曲と言
ったけど、カッコ良い選曲と言った方が合ってたかも。
 ゲストもピッタリはまった。ホーンも恭一もノブ・キャロウェイも、客以上に俺自身のツボ
だからね。そりゃ楽しいわ。俺が。
 それとなにより要所で新曲や3-10 chainの曲が効いていたのが我ながら良かった。新曲が良
いと前の曲も新たな輝きを持ってくれる。昔の曲を歌いましたで終わらない、まぎれもない今
のライブだった。自信、確信を持ったという事で明日へ向かうライブだった。
 計算したりもくろんだりとか一切ないんだが、ふと気がつくと新しい俺スタイルが確立しつ
つあるようだ。どうやら本当に『偶然にも明るい方へ』向かってる。歌にしてみるもんだな。
 昨日のライブでもっとも不死鳥だったのは、実はみのんちょ。前日の朝「悪性の扁桃熱で倒
れた」と連絡。点滴を打ち、ハリ灸を打ち、リハを飛ばし本番だけに体力を集中して乗り切っ
た。今日電話したら「ライブをした事は覚えてるけど、細かい事は覚えてない」と。
 言うまでもないけど、俺一人の力で良いライブがやれるわけではない。みのんちょだけでな
くすべての人が『本気』をライブに持ち込んでくれる。それが嬉しい。
 今日は『本気』という言葉の重さ、大切さをあらためて考えている。


2005/04/10

 

■アフター

 さすがに。あれだね。2、3日はボーッとしたい気分。
 今日は『定年ゴジラ/重松清』を読んで過ごした。3回泣いた。

2005/04/11

 

■あっという間に

 一週間経ってしまった。どんなライブもあっという間に過去になる。空しいとは思わない。
ライブというのは消えもので、だからこそわざわざ見に来てもらう価値があるんだろう。
 ずっと本を読んでた。重松清。たまたま読んだ『ナイフ』という短編集がガツンと来て、勢
いで『定年ゴジラ』『流星ワゴン』『半パン・デイズ』『エイジ』『ビタミンF』『熱球』。
まだまだ読むつもり。とりあえず、小説は全部読んでみようと決めた。
 ここ5、6年は小説といえば海外のものばかりで、日本のものはほとんど読まなかった。
優劣とか良し悪しではなく、そこにある生々しさに読み疲れしてしまうのだ。それが珍しくと
いう事だが、珍しくではなくなるのかなという予感もある。なんか体質が変わったようで、
読み疲れが心地良かったりする。年とって食べ物の好みが変わるようなもんか。
 それはともかく、上手い人だと思う。ライターをやっていたという経歴のせいか、悪い意味
でのブンガク的表現が一切ない。「これからは僕がブンガクを背負っていきます。」みたいな
とんちんかんを決して言わないだろう所が好感。分かりやすい言葉ではっとする表現をすると
いう、かなり高度なテクニック。
 ただ、中身は重い。30代後半から40代前半の『男子』は、きっと泣くと思う。つーか、
泣いたし。特に『流星ワゴン』と『半パン・デイズ』。なんでこれを映画化しようと思わない
んだ。って誰に向かって?


2005/04/16

 

■ナショナリズム

 中国がえらいことになっておるね。彼らの怒りの内には日本人が受け止めねばならない部分
もあるのだろうが、とばっちりとしか思えない部分の方が目立ってしまうな。そもそも彼らが
反し抗わなければならない第一の相手は中国共産党独裁政権じゃないか。同時期に起きた反公
害反政府の農民デモは、警察隊と衝突し死傷者も出たらしい。
 彼らのほとんどは天安門事件の時は小学生だった。90年からの愛国教育というのは抜群の
効果を発揮したわけだ。教育って恐い。なめたもんじゃない。
 誰の心にも多かれ少なかれナショナリズムはある。そこを上手に突かれると怒りが湧いてく
る。誤解を恐れず言えば、その怒りは心地良いはずだ。ナショナリズムを突く何かは、必ず正
義の同義語として登場するから。悩まなくて良い。真実を知ろうと努力する必要もない。
答えは常にセットで目の前にある。
 中国に限らず、国を治めるのにナショナリズムを利用する指導者は低レベルの愚者だ。
本当に能力があれば、その危うさに気づき手を出さないはず。他の、もっとましな方法論を
考えつけないからそこに走るのだ。
 利用されるなと願う。いつも疑って欲しい。聞こえの良い言葉の向こうにある狡猾さを見抜
いて欲しい。いや、見抜こうとがんばらなくても良いかも。理屈抜きで、そういうもんだと
決めつけておけば、まず失敗しないと思う。
 ナショナリズムは悪党の最後のよりどころ。あいつが守りたいのは国ではなく、あいつ自身
が持っているものだ。


2005/04/17

 

■ぼちぼちと

 動き始める。雑務も重なると一日仕事。


2005/04/18

 

■電車内で

 携帯電話の周辺機器のイヤフォンとマイクが一体になったやつ。運転中にハンズ・フリーで
話せるためのものだと思うが、それを電車内で使用してるおっさんを見た。電車内で普通に
携帯で話してるのも迷惑だが、これは迷惑通り越して無気味。熱が入るのか、時折手ぶりがつ
く。小さくおじぎしたりもね。わかるようにじっと見つめてやったんだが、目に入らないらし
い。心の目が遥か遠くを見てるからだね。ヴァーチャルって、間抜けだなと思った。


2005/04/19

 

■下見

 5.31 ウタノコリ・スペシャル〜『円』の会場下見に行って来た。不思議なハコだね。思った
ほどすり鉢状ではないけれど、丸く囲まれるというのは妙。このシチュエーションだけで、も
う新鮮。かつて経験どころか、想定すらした事もない。実際に客が入ったらどうなるんだろう?
 盛り上がったらどんな空気になるんだろう?
 小さいながらもホール・コンサートだからね。ライブハウスでやるのに比べて、めんどくさ
い事や考えなきゃいけない事も多いけど、楽しみ楽しみ。


2005/04/20

 

■ミセリ

 巨人のミセリがクビになった。その豪快なダメッぷりは期待充分だったのに。残念。二回目
にボコボコに打たれた後のコメント。
「日本の球場がリトル・リーグ並みに狭いからこのような事になるのだ。」
 元大リーガーらしい、プライド溢れる負け惜しみ。こういうの久々に聞いたなぁ。もっとも
っと聞きたかった。
 良い悪いが交互に出てれば、もうちょっと延びたのに。高い金払って呼んじゃった以上、ダ
メを認めるとフロントの誰かの責任問題になるからね。堀内はダメとわかっていても使わざる
を得なかったはず。いばってるわりに上には逆らえない堀内の『嫌な上司』っぷりまでもさら
け出されるところだったんだがなぁ。本当に残念。


2005/04/21

 

■ポール

 ポール牧が死んだ。意外なほど胸が痛い。別に大ファンってわけでもなかったんだけど。
 いわゆる「笑わせろ、笑われるな」が染み付いた人だったんだろう。
 ある時期からいじられて笑いをとる事が多くなった。それに耐えられず、うまく対応しきれ
なかったように見えた。天然に成りきるには頭が良過ぎた、とも言える。しかし冷徹だが、
いじられないポール牧がすでに面白くなくなっていたのも事実だ。
 笑われても良かったんじゃないか。「笑わせる」と「笑われる」は、こだわるほどの差は無
いんじゃないかと最近思うようになった。あれは江戸落語の呪縛なんじゃないかな。
 もちろん「笑わせろ、笑われるな」が、プロとしての矜持を支えているのでもある。そこを
グズグズにするとプロとしての出発点が曖昧になるだろう。都合の良い物言いに聞こえるかも
知れないが。
 ようするに「笑わせる」を通過してきた人は「笑われる」にシフト・チェンジして良いん
じゃないかと思うのだ。
 
 ともあれ。芸人よ、安らかなれ。


2005/04/22

 

■マネーゲーム

 フジテレビとライブドアが和解。予想通り、ただのマネーゲームで終わってしまった。 
 堀江は何かやりたい事があるのだろうか? フジテレビ女子アナのサイト? 失笑するしか
ないね。旧経済人があまりにも愚劣に堕ちてるその比較で改革の旗手みたいになってるけど、
かいかぶり過ぎじゃないか。出してる本も金儲けのノウハウ本ばっかりだし。
 ロック・バンドにとってテクニックは必要かと質問された時は、幸せにとっての金に例える
ことにしている。
 「有るに越した事はないけど、無きゃ無いでなんとかなる。しかしさすがに無いにも程があ
るけどな(笑)」
 テクニックも金も目的のための手段なのに、気を許すと手段そのものが目的化してしまうと
ころも良く似ている。常に「それで何がやりたいの?」こそが問われるべきなのだ。
 堀江の他にも村上や北尾。金を右から左に動かすだけで、生産も創造もしない者がヒーロー
扱いされる時代なんかろくなもんじゃない。あんなもん、ヨゴレじゃん。


2005/04/23

 

■プラス・ワン

 日曜の午後らしいほのぼのとしたイベント。なかなか居心地良く過ごせた。角野さんとはつ
きあいも長いのでトーク・ライブというより普通の会話になっちゃうけどね。澄ちゃんとの二
人ライブも有りだね。何も考えずただ歌うだけの楽ーなライブも考えてみようかな。
 今日のイベントの中でも言ったんだけど5月5日にもプラス・ワンに出演します。オーケンの
のほほん学校。急な話しでもあるしチケットがあるかどうかもわからないので、ここで告知す
るだけにします。


2005/04/24

 

■史上最悪の事故

 史上最悪というのは、見た事も考えた事もないくらいひどいという事だ。言うまでもない事
を言ってみた。あらゆる技術が格段に進歩しているはずなのに、なぜ見た事も考えた事もない
事が起きてしまうのか。そこに憤るからである。
 置石かもしれない。運転手の未熟かも知れない。しかし根本的な原因は大企業病だと思う。
ゆるみと硬直化という一見相反するものが同居する。それが「組織」の病いだ。安全と言うコ
スト対効果がはっきりしないところから削っていく。どんな理由があろうとも(安全走行に不
安を感じたからでも)時間に遅れる事は悪で、その責任はすべて運転手に、現場に負わせる。
間一髪で助かってはいるが日本航空も同じ穴のムジナ。
 だから、被害者が運び込まれた病院にポケットに手を突っ込んで現れたJR幹部に腹が立つの
だ。たぶん無意識に癖が出ただけだろう。ささいな事だ。しかし、無意識のささいな事にその
人の「気持ちの置き所」が表れる。
 責任が分散され、罪の意識が「個人の感じ方」というぼんやりした所に吸収される。それも
また「組織」の病いだ。その象徴的なシーンだった。


2005/04/25

 

■病い

 JR西日本の病いは思った以上に深かった。
 運行時間が数十秒でも遅れた運転手は、日勤教育という名で自己開発セミナーばりの追い込
まれ方をしていたそうだ。あげく「もう一度遅れたら運転手を辞めます」なんて誓約書を書か
されては冷静な運転なんか出来るわけない。中身はない。追い込むための追い込み。やってる
事が子供じみてる。
 それが「お客さまの信頼に答えるため」というあからさまな建前で行われる所がまたウンザ
リだ。実際は私鉄との競合が激しい中で利益をあげるためのくせに。さらに実際は個々の保身
で数十秒が一人歩きしていったという事。
 ところで。まだ何もわからないうちから露骨に置き石説に世論誘導しようとする、そんな奴
らに現場付近をウロウロさせて良いのかね。証拠隠滅するぞ。業務上過失致死の容疑の主体は
亡くなった運転手だけじゃなく、JR西日本全体だからね。


2005/04/27

 

■暑かった

 今日は暑かった。冬の間はすっかり忘れてるけど、暑いってこういう事だったな。でもまだ
耐えられないほどじゃない。夏の一番暑い時が今日くらいを希望。


2005/04/29

 

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