地球日記

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週刊 三十一歌詞火星レコードHOME 

【2005年8月】

■暑い

 休んだ。俗に休養を指して充電期間と言うが、そんなもんすらしなかった。充電してる時点で休んでないじゃんって気がするし。

 やっぱり東京は暑い。田舎だって暑いんだけど、ベトつく感じがあまりないぶん過ごしやすい。
 アスファルトやコンクリートに覆われた面積の差やら自動車や室外機の熱やら原因は色々あろうが、一番は空気が動く動かないではなかろうかと思う。
 よって湾岸ぞいで風の動きを止めている高層ビル群には多額の不動産税をかけるべしと決定した。俺が。

2005/08/01

 

■インタビュー

 先日の「のほほん学校」で吉田豪氏と知り合った。今、インタビュアーとしての評価では一、二を争う人。その人が「今度インタビューさせて下さいよ」なんて言うもんだから、てっきり社交辞令だと思って軽くながしてたら本気だった。本日中野にて。
 2時間くらい喋った。やっぱり聞き上手だね。他にも何人かインタビューの上手かった人を思い出しても、要するにみな聞き上手。
 喋るという才能がある程度持って生まれたものであるように、聞くという才能もまた同じく。地味だけど。
 他人の話しを聞くのが本当に好きっていうのも大事なんだろう。ラジオなどのパーソナリティーをやる中で、俺にはインタビュアーの資質はないと判断したのはそこだから。他人の話しに興味がないもんなぁ。
 ちなみに掲載誌は曙出版のアットブーイングという100%男子向け雑誌。そのインタビュー連載以外のページはお乳だらけです。

2005/08/02

 

■打ち合わせ

 新宿で恭一と打ち合わせ。打ち合わせること風のごとく林のごとく火のごとく山のごとく。あっという間に数時間。会場ごとにコンセプトが違うから大変だ。
 もうすぐ世界陸上が始まる。楽しみなんだけど、とにかく織田裕二がうっとおしい。いつのまに陸上といえば織田裕二って事になったんだろう。認めた覚えはないが。
 ファン代表みたいなスタンスでいてくれりゃまだしも、どうやら陸上の啓蒙者あるいは解説者と自認してるらしい。それが生来の気にさわるキャラと重なって実に堪え難い。流そうとはしてるんだけど。やっぱりTBSの方が間違ってるよ。

2005/08/03

 

■考える人

 昨日の打ち合わせを受けてあれこれと考える。複数のライブの事を同時に進めなきゃならないもんで、考えること風のごとく林のごとく火のごとく山のごとく海のごとく川のごとく空のごとく雲のごとく月のごとく日のごとく。以下思いつく限り。
 しかし暑い。今こそ長門にいるべきだね、俺は。なぜここにいる?。この不自然な暑さが過ぎ去るようじっと耐えている。人間は我慢強いね。

2005/08/04

 

■60年

 タイトルを忘れてしまったが、数年前に観たハリウッド映画。テロリストが核を時限装置で爆発させてしまう。命からがら逃げ延びた主人公とヒロインが巨大なキノコ雲をバックに熱烈にキス。なんとか助かったってつもりだろうが、思いっきり死の灰浴びてるんじゃん。もうすぐ黒い雨が降るんじゃん。駄目じゃん。
 原爆というものをしょせん大きな爆弾くらいにしか思ってないんだろうなぁというシーンに、海外産の映画や小説で時々出くわす。
 しかし今や他所事ではないかも知れない。今年で被爆から60年。思えば俺が始めて広島を訪れた頃が被爆から30年。そこから確実に30年分距離が開いている。
 原爆は単なる大きな爆弾ではないという事を、理屈ではなくショックとして、今も知るんだろうか。

2005/08/05

 

■森善朗

 小泉への最後の談判に失敗した森善朗。記者団に向かってボヤくボヤく。「小泉は変人以上」はまだしも「わざわざ訊ねて行ったのに缶ビールとひからびたチーズ、サーモンしか出してくれなかった」とボヤくにいたっては、うっかり笑ってしまったよ。寿司ぐらい出すだろうと思ってたんだって。さらにわざわざそのひからびたチーズを記者団に見せて「これ噛んでも噛み切れないんだよ」って。爆笑。よっぽど頭に来たんだね。さすが森善朗。総理大臣なんかバカでも出来ることを身をもって証明した男。
 しかしこの勢いで解散して与党が崩壊するとしたら、これは歴史に残る場面なのかも知れないなぁ。間抜けだけど。いや間抜けだからこそ平成の日本を象徴してるのか。
 世界陸上女子棒高跳び。イシンバエワの一人舞台。この競技、かつて男子ではブブカの一人舞台の時代が長くあった。64億人からたった一人だけが特別にうまくなれる競技なのか。不思議な競技だ。どんなもんか試しにちょっとやってみようってわけにもいかないし。

2005/08/07

 

■解散

 そして否決〜解散が現実になった。分裂でも再編でもなんでもいいや。やってしまえ。ぜんぶリセットする最後のチャンスだ。
 郵政の民営化はすべきだと思う。しかしそもそもは天下り先への金の垂れ流しを止めるという意味だったはず。それがいつのまにか「田舎の郵便局をどうするか」という話しにすり変わった。それはその程度の話しなら国民も理解して味方するだろうという意図的な歪曲だし、その程度にしか政局を作りだせない政治屋の限界でもある。
 しかし少なくとも現状を維持したまま構造改革なんか出来ないという事はあぶりだした。その一点のみ「よくやった、小泉」と言っても良い。
 旧弊をどこかで断ち切らなければ国は滅びる。政治家ではない政治屋がみんな落ちる事を願う。

2005/08/08

 

■『円』DVD化進行中

 ウタノコリ・スペシャル〜『円』のDVD化、進行中である。途中経過の報告をしなかったのは、今作の編集を青森放送の橋本さんに丸投げしたからだ。このライブについてはどうも思い入れが強すぎるようで、なかなか客観視出来なかった。そこに橋本さんから「やってやるよ」と申し出があったので渡りに船とおまかせする事にした。だからと言っておだてるわけじゃないけど、映像ものに関しては日本一信頼している。安心してほっといたわけ。
 そして先日、映像編集済みのマスターが届いた。さすが。半分は自画自賛になるが、まるで一本の映画を見たような。って、ずいぶん手垢のついた言い回しではあるが。いやいや本当に良い出来。橋本さんとは長い付き合いになるけど、いわゆる『作品』を共作したのはこれが始めてになるな。
 これからまだまだ細かい作業がたくさんある。9月の下北沢Club251の2daysあたりの発売が目標。

2005/08/09

 

■川姫

『妖怪大戦争』を観た。三池監督って、やっぱり変。ねらって変なのか、天然で変なのか、いまひとつわからないけど。なんだか凄いオチだった。『デッド・オア・アライブ』の伝説のオチ、「ヤクザのケンカで地球が大爆発」の裏返しか。
 川姫につきる。知らない女優さんだったけど、耳の形といい顔つきといいなまめかしさといい、特殊メイクなしで川姫としか言い様のないビジュアル。川姫をやるために生まれて来た人だ。生涯最大の当たり役だろうと思う。
 しかし牝河童が当たり役というのは誉めてる事になるんだろうかね。

2005/08/10

 

■猿芝居

 どうも小泉の猿芝居に踊らされてるような気がする。ケンカ腰が面白いんだろうが、場外乱闘に喜んでる場合じゃないんだけど。
 反対議員に刺客投入って、それは今までだって少しはましな候補者を立てられたのにやらなかったって事の証明じゃないか。この期に及んでそれをやられてもね、馬鹿にした話しとしか思えない。
 しかしながらもっと馬鹿にした話しもある。橋龍引退の後を夫人が継ぐとか、自殺した議員の後を未亡人が継ぐとか。彼らにはなりふりかまわず守りたいものがあるんだろうが、彼らがそれを守り通している限り光はない。

2005/08/13

 

■8.15

 子供の頃に影響を受けた大人たちの一人に母方の親戚のおじちゃんがいる。寡黙ながら一本筋の通った人だった。過去形で言うのはもう亡くなって久しいからだ。
 ある時期、そこの家に不幸が続いた。すると、どんなネットワークで嗅ぎ付けるのか知らないが某宗教団体が訊ねて来たそうな。親身なふりで不幸につけこんでいわく「この家に悪い事が続くのはご先祖様を大事にしないから」で、とりあえず壷だか何だかを買えと。おじちゃん、怒ったね。「先祖っちゅうたら、親の親の親の事じゃろうが。親が子に祟るっちゃぁ何事か!そんな先祖ならいらん。ションベンぶちかけちゃれ!」と追い返したって。おじちゃんの言う事には理があると、子供ながら感心した。
 先祖の墓をほったらかして草ぼうぼうとは、話しの次元が違う事はわかるよね。
 ところで。もしも、仮に、俺が英霊になる機会があったとしても俺の魂は靖国なんかには行かない。もっと他に行くべきところ、帰るべきところがあるから。
 そう考える人は決して少なくないだろうに、そこが抜け落ちたままで靖国問題が語られてるような気がする。しょせん「一宗教団体」じゃないか。小泉が参拝に行くのは勝手だが「総理大臣」が参拝に行くのは違うと思う。
 近隣諸国を傷つける云々は脇に置いても、国内問題として腑に落ちない。憲法に政教分離と書いてあるからにダメなんじゃない。宗教の偏狭な独善性を権力が利用する事があまりに危険だからダメなんである。ダメだからわざわざ憲法に書いてあるんじゃないか。書き直せばすむわけではない。

2005/08/15

 

■刺客騒ぎ

「反対議員に刺客投入って、それは今までだって少しはましな候補者を立てられたのにやらなかったって事の証明じゃないか。」と書いた事を反省している。少しはましでもなんでもない。元ミス東大の官僚くずれにカリスマ主婦に、ついにはホリエモン。話題作りの一発芸みたいなのばっかし。
 女性候補があざとく多い。小泉が本音では女性を軽んじてる事はこの四年間で充分透けてると思うがね。中高年の女性層の支持が圧倒的に高い。馬鹿が馬鹿を馬鹿にするの図。それでもこんな見え見えの戦略が通用しちゃうんだろうか。
 さらに。争点を郵政改革の是非のみに強引に持ち込もうとしてるけど、それだけの事なら国民投票でもすれば良かった話し。無駄に税金使わなくて済む。
 解散総選挙は時の内閣が何を成して何を成さなかったかを問うもの。これだけの長期政権なのにちゃんと成し遂げた政策はほぼゼロ。着実にやったのは弱者切り捨てとアメリカの下僕化。特に福祉関係。これほど露骨に福祉は社会のお荷物であるという思想を滲み出した内閣は記憶にない。戦後最悪の内閣との声があがるのももっともだ。
 ここで小泉続投が決まれば改憲、増税、さらなる言論の弾圧が確実にやってくる。早急にマスコミの軸が「面白がり」から「総括」へ移るよう願う。

2005/08/16

 

■胃潰瘍

 なんとびっくり。胃潰瘍になってしまった。6月末からずっと胃痛と戦い続けていたのだが、今日胃カメラを飲んだ結果そういう事だった。
 数年前までは胃潰瘍は完治しない病気だったが、今は薬で完治するそうなので心配無用。二ヶ月以上かかるらしいけど。
 問診とか胃カメラとかなかなか面白い経験だったが、どこかのライブのMCで使いそうなのでくわしくは省略。

2005/08/18

 

■騒ぐな

 連日選挙の事ばかり書くのもどうかと思うが、愚か極まれりという事が起きるのではしょうがない。ホリエモンの件である。てっきり小泉の悪ふざけかと思ったら本気だった。本人にも断る見識くらいあるだろうと思ったらなかった。どっちに転んでも損はしないという判断なんだろう。実際、株価は上がったわけだし。
 自民党の矛盾には触れない。金のもうけ方しか語るものを持たない人間が政治を志す不快さも、彼に始まった事ではないからいい。
 一番の問題は、まがりなりにもメディアの長である堀江が政治をも手に入れようとしている点だ。メディアと政治は区分されなければいけない。そんなものはとっくに有名無実だという事はわかっている。メディア先進国だったアメリカでさえ、いまやあの体たらくだ。しかしたとえ建前であってもそこは一線を画すべきじゃないかね。メディアと政治を同時に手に入れようとする者は低劣だ。それを許す者も低劣だ。
 なぜか大マスコミはそこに触れない。ネットがメディアであると認めてないって事かね?

2005/08/19

 

■マンション

 うちの近辺はもともと三階建てまでしか建設許可がおりない地域だったのだが、規制が緩くなったのを受けてマンションが続々と建設中だ。いきなり隣に建てられちゃった人は憤るだろう。手書きの抗議文を貼って抵抗しておられるが、近ごろは近隣への説明会もおざなりらしい。説明したって事実だけで、結果を問わず許可が下りるそうだ。日照権なんて権利はいつの間にか無くなっちゃたんだってね。
 中に一棟、狭い敷地に数十階というペンシル・マンションがある。さすがにそれは見てくれが悪い。近隣の怒りもひとしおだ。
 どうやら売れてないらしく、屋上から大きな垂れ幕で宣伝を始めた。
 そのコピーがね。「低層住宅地ならではの開放感!」って、いくらなんでもなめ過ぎだろう。ケンカ売ってんのかな?リクルート社。

2005/08/20

 

■本

 読書量が増えている。一昨年ぐらいからか。テレビ・ゲームをほとんどしなくなったせいだと思う。機材車移動中にゲームボーイをやる程度。たわむれに今年読んだ本を数えてみたが、百冊を越えたところで空しくなってやめた。
 ちなみに今はフィリップ・マーゴリンを読んでいる。アメリカでは「十割打者」の異名をとるほどらしいが日本ではあまり評判を聞かない。プロット先行の作家だから軽く見られるのか。実際軽いけど。しかし『炎の法廷』は面白かった。半分読んだところで寝たら夢に見た。よし全作品読むぞ。
 それは良いんだけど、問題は読むはじから内容を忘れてしまう事だ。三冊前に読んだ本の内容をもう忘れている。本屋で手に取って中をパラパラとめくっても、結局これは読んだのか読もうと思ってそれっきりなのかわからない事があってちょっとビビった。年のせいであるのは認めるが、似た内容のものをたくさん読むからっていうのもある。
 もう、何のために読んでいるのか。それは何のために生きているのかに通じる問いだ。

2005/08/22

 

■夏休みの宿題

 夏休み気分でのんびりしてたら、なんともう24日ではないか。油断した。色々やらなきゃならない。今日もリハを2件かけもち。
 小学生の頃は夏休みの宿題をなかなかやらない子だった。母親が恐くてね。夏休み最終日に泣きながらやってた。
 甲子園が終わったあたりから「ああ、宿題をぜんぜんやってない。母ちゃんにしかられる」と思い始め、思うたび胸が苦しくなる。だったらちょっとでもやりゃあ良いのに、それでもやらないんだね。不思議なもんだね。で、最終日にえらいめにあうんだ。
 誰もがそんなもんだと思ってたら、計画的に進めてたとか、7月中にすませてたとかいう人の方が多くてびっくり。みんなえらいよな。って、今さら良い年して何言ってんだか。

2005/08/23

 

■今日もかけもち

 今日もリハを2件かけもち。3-10 chainと8/31のドミンゴス(除く一休)。ちなみに昨日は3-10 chainと恭一バンド。どれも楽しいリハだったけど、さすがにくたびれた。なのでこれでおしまい。

2005/08/24

 

■言葉

「にっち」って何?「さっち」って何?と気にしつつも、さしてひっ迫する事情もなくほったらかしておった。「にっちもさっちも」の事である。それが本日とある小説を読んでる中で判明。「二進も三進も」だったのか。二であり三である事は予想してたが、「ち」が「進」とはね。そいつはどうにもブルドッグだよ。算盤用語なんだって。
 さて明日はライブ。どう転んでも楽しくなりそうな予感。

2005/08/25

 

■なかよしオープニング

 案の定楽しかった。しかし苦しくもあった。ステージ側の空調が壊れてたらしい。暑いのはまだしも酸素がない。久々の酸欠。20年前のライブハウスはどこもこんなもんだったがね。音響機材の進歩に比べて見逃されがちだが、空調というものも確実に進歩している。ここ数年は今日のような言葉通り苦しかったライブってなかったと思う。「愛の賛歌」までははっきり覚えてるんだけどなぁ。以降は夢の中。
 しかし客席後ろの空調は快調で、酸素もあり涼しいくらいだったそうじゃないか。なんだ、もしかして一人相撲に見えてたんじゃないの?
 でもまあ、楽しかったからいいや。恭一とのツイン・ボーカルの手応えもつかんだし。

2005/08/26

 

■アカメカシワ

 胃カメラ検査の時に「一度治りかけて、また再発した痕跡がある」と言われた。思い当たるふしがある。
 実家に帰った時だ。胃の痛みを訴えると母親が怪しいお茶を出してきた。アカメカシワという木の皮を煎じたものだという。半信半疑どころか一信九疑で飲んでみたら、これが効いた。それまでにH2ブロッカーを含む市販の胃薬を色々試したが、これが一番効いた。すごいぜ、民間伝承。
 きっと人里離れた奥山深くにあるのだろうと思ったら、その辺の道ばたになんぼでも生えてるとの事。
 東京に戻ってそのお茶を飲まなくなったので、また悪くしたのだろう。ていうか胃潰瘍までなったら、とっとと病院に行った方が良いんだが。
 ちょっとした胃弱には素晴らしく効くと思う。特に夏場。コンビニで売れば良いのに。クソまずいけど。

2005/08/29

 

■刺客と呼ばないで

 自民党から「刺客」という言葉を使うなというお達しだそうである。そもそも自分らが嬉しそうに使い始めた言葉なのにね。話題作りが済んだとたん、イメージが悪いのでやめてくれと。はたして馬鹿マスコミは従うのか?記者クラブでそれを話し合うのか?
 その刺客候補が軒並み比例名簿上位である。話題性だけの「お前、何者?」といった彼女ら、彼らはみんなすでに当確。どうなる日本?
 読売の調査によれば、一日あたりのテレビ試聴時間が長い層ほど小泉の支持率が上がるそうである。一日三時間以上テレビを見る層では60%以上。なるほどね。馬鹿が馬鹿を馬鹿にする図が上手く描けてるわけだ。
 さて明日は渋谷Club CRAWLでノブ、ヒデキ、ミツをバックにライブ。数曲歌います。夏にとどめをさしてくるかね。

2005/08/30

 

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