地球日記

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週刊 三十一歌詞火星レコードHOME 

【2005年11月】

■内閣

 竹中平蔵ごときがどんどん偉くなっていく。
 数有る学問の中で、経済学とは科学ではない。実験が出来ないからだ。過去のデータを集積し、それを分析と言えば聞こえは良いが要するに屁理屈とこじつけだ。これが何に似てるか。そう、占いだ。経済学なんて、あんなものは当たるも八卦なのだよ。しかも竹中の場合、当たらぬも八卦を忘れるほど自信満々という点で細木数子なみ。いまやこの国は細木数子に将来をあずけてるのと変わらないのだ。
 それと、あの趣味の悪い青ドレスの女。2億円のマンションに住む上流階級が少子化問題に取り組むって、なんの冗談かね。解決する以前に問題の根本が理解出来ないだろ。
 他にも、イラクで犠牲者が出た時に「自己責任」を連発したやつがなんと厚生大臣だ。弱者たちよ、首を洗って待ってろって事か。
 マスコミはサプライズがない事だけを不満そうに言うが、それどころじゃない。けっこう酷い内閣だよ、これは。

2005/11/01

 

■マツタケ

 新宿のデパートで売っていた国産マツタケ。5本セットでなんと15万円。何がどうしてそんな売り値がはじき出されるのか? きっと誰かが買うから売ってるんだろうけど、どんな状況でそのように高価なキノコが必要とされるのか想像もつかない。資本主義ってすげえな。
 もし売れ残ったら捨てるんだろうか?

2005/11/02

 

■事件

 本屋へ行くと新潮文庫が『イヤ〜な事件フェア』というのをやっておった。あからさまなくせにカタカナにして軽くしようとしてるところがまたいやらしい、などと腹の中で文句をたれつつ4冊購入。意外や面白かった。特に『桶川ストーカー殺人事件/清水潔』。彼女は二度殺されている。一度めは異常な犯人グループに、二度めは負けず異常な埼玉県上尾署に。といった内容。
 よく言う「犬が人を噛んでもニュースじゃないが、人が犬を噛んだらニュース」という例え。ありえない事が起きたからニュースなわけだが、そのありえなかった事も時の流れの中で常態化し、やがてニュースではなくなる。たとえ人が犬を噛んでも誰も驚かなくなればそれはもはや事件ではない、ただの事実なのだ。別の言い方をすれば、事件とは話題になる内が事件で、それを過ぎると事件ではなくなる。そうして徐々に確実に事件=ありえない事の基準値が上がって行く。その果て、いまや気づかないうちに、二、三十年前から見たらありえない事だらけの世界に生きているのかも知れない。
 そう言えばあの事件って何だったんだろう?その後どうなったんだろう?と振り返る事は案外大切かもな。「人が犬を噛む」のはやっぱり変だという事を忘れないように。

2005/11/03

 

■トリビュート

 久々に3-10 chainでレコーディングをする。トリビュート・アルバムなるものに参加するのだ。何をトリビュートするかというとアニメ・ソング。
 アニメの主題歌であれば何でも良いと言うので『はじめ人間ギャートルズ』にした。エンディング・テーマの「なんにもない、なんにもない〜」ってやつは、小泉今日子やおしゃれ系のアーティストがすでにカバーしてるようだから、我々はあえてオープニング曲を選ぶ。こっちもムッシュ作曲でパブロックっぽくてカッコ良いのに誰もやらないのは歌詞がバカだからだね、たぶん。「ドテドテドテドテ ドテッチーン〜」だもの。これを歌いこなせるロック歌手は俺くらいだろ。
 本日はそれのためのリハ。こいつはゴキゲンだ。しかしいざやってみたら、半分はウッチーが歌ってるようなもんだな、こりゃ。ウニャハニャとかニャニャニャニャーとか。

2005/11/04

 

■お知らせ

  明日というか今日なのか、6日の『オーケンのほほん学校』にゲスト出演する。新宿歌舞伎町ロフトプラスワンにて。喋ったり、カラオケ歌ったりする予定。急な事なので、ここでのお知らせのみ。

2005/11/05

 

■プラスワン

 のほほん学校atロフト・プラスワン。先週のat大阪の後ではいかにもやりやすい。がんばらないで、自分自身も楽しみつつ。
 決して大阪のお客さんやバナナホールがどうこうというわけではない。ロフト・プラスワンというハコが際立った特性を持っているという事だ。こういうトーク・ライブをやるための特性を持つ、おそらく日本で唯一のハコだろう。ちなみに、バナナホールはアコースティック・ライブをやるハコとしては日本有数である。そういうのって建造物としての問題だけでなく、日々やってる事の空気感が蓄積されて出来上がるのだと思う。
 とにかく今日は楽しかった。安心して話しをはずませた。また、怒髪天の増子くんの酔っぱらい方が可愛くて、一段と彼の事が好きになった。本当に愛すべき人だなぁ。
 プラスワンって良いなぁと再確認したので、来年の早い頃の「とある企画」はここでやろうと思った。

2005/11/06

 

■レコーディング

 昨日は昼いちから夜明けまでかけてレコーディング。例の『はじめ人間ギャートルズのテーマ』。かなりの自信作。特にアクロバティックなアレンジをしたわけでもなく、オリジナルに忠実にやってるのだが、充分聞く価値の有るものになった。曲がバンドにはまったんだろう。笑っちゃうくらい良いので、泣きそうな時に聞くと良いと思う。みんなが曲を覚えてくれて、ライブで「ウニャハニャ」と声を合わせられたら、くだらなすぎて最高だ。
 どこまで情報公開して良いのか不明なので伏せるけれども、他参加アーティストとそれぞれの選曲も興味深いので、買ってもらって損はさせないアルバムになりそう。発売日等、詳細がはっきりしたらまたお知らせする。

2005/11/08

 

■寒くなってきました

 ああ、そういえば寒いってこういう事だったなぁと思う今日この頃。暑いときには寒いときの事を忘れてるし、寒いときには暑いときの事を忘れてる。人間って都合が良い生き物だよな。俺だけか?
 本日は丸一日3-10 chainのライブ・アルバムの作業。来年早々に出す方向で進めてます。が、まだまだこれから果てしないので確定ではないです。

2005/11/09

 

■破産

『大阪破産/吉富有治』(光文社ペーパーブックス)を読んだ。今、えらい事になってる大阪がもしも破産したらどうなるかというシミュレーション。そもそもなんでえらい事になってしまったかという解析。絵空事ではないし、大阪だけの問題でもない。どこの自治体も似たり寄ったりなのだろう。そもそも国が破産するかも知れない。
 破産するには原因があるわけで、一番のそれは「経営の才能などあるはずもない役人が経営に手を出した」という点だろう。しかも民間企業なら背任行為で刑務所に入るはずの失敗にすらとがめなく、損したところで税金という他人の金だし、そりゃ兆単位でこけるわ。役人という匿名性をなくさないかぎり、どうにもならないね。

2005/11/11

 

■大仕事

 明日は友人の結婚パーティーで大仕事をまかされている。ライブより緊張している。胃潰瘍が再発しそう。

2005/11/12

 

■疲れた

 どうも朝から首の調子が悪い。そうするといつもの偏頭痛が始まる。今日はほとんど何も出来ず。昨日の疲れか。
 結婚パーティーごときで何でそこまでと思うかも知れないが、そんなもんなんだよ。ライブってのは何だかんだ言って、わざわざ見に来てくれた人達を相手にしてるわけだもんね。そうじゃない人達の前で何かをやるときは、まず惹き付けるためにかなりエネルギーを使う。以前、某専門学校で特別講師をやったときも、やはりずいぶん疲れた。
 そこで「流す」と決めてしまえば、逆に楽になるんだけど、昨日は何があっても絶対に流さないという覚悟があったからね。つきあいの深さから来る想いという理由で。
 甲斐あって、ベストパフォーマンスをしてあげられたんじゃないかと思う。肩の荷がおりた。

2005/11/14

 

■ナニ金

『ナニワ金融伝』の文庫版全巻買って一気読み。かつて連載中に読んでいた時はこれ以上の漫画には出会えないだろうと思うほど好きだった。別に街金、闇金に興味があるわけじゃないけど、あの決して上手いとは言えない絵からほとばしるエネルギーにやられた。久々にそれを確認しようと思って。
 一気に読むとかなりこたえるね。半分以上が脂身のトンカツを食わされたような。でもやっぱり面白い。この漫画が連載中は借金をする人が減ったという。ウソかマコトか知らないが、マコトでもおかしくないほどのパワーと説得力はあるね。

2005/11/15

 

■センチメンタル

 他人を感動させられるほどにセンチメンタルを表現出来る者には二通りいるそうである。ひとつはそもそもセンチメンタルが過剰なタイプ。もうひとつは他の感情、例えば愛情だとか同情心だとかが不全のため、目詰まりを起こしセンチメンタルに流れこんでしまうタイプ。まれに暴君や独裁者に卓越した芸術的センスが見られるのは後者のわけによるそうだ。
 あの母親毒殺少女も、めぐり逢いさえあれば表現者になれてたのかもと思う。誰かあるいは何かとのめぐり逢い。不謹慎かも知れないが、恐れよりも哀れを感じる。

2005/11/16

 

■ボージョレ・ヌーボー

 ボージョレ・ヌーボーといえばかつてはバブルの象徴的アイテム。今年、その輸入量が今過去最高だそう。
 実際、あくまでも数字の上ではミニ・バブルと呼んで良いほどの景気であるという。実感がまるでない。それだけ二極分化が進んでるんだろう。あるところにはあるのだ。    
 となるとサラリーマン増税が解せない。所得控除だけ戻して、法人税と金持ち税はそのままという理不尽の理由が「良くなりかけた景気に水をさす」からだが、逆なんじゃないか。むしろ企業の金をフローさせなきゃ経済は動かんと思うが。
 もしかして、企業の存在意義の第一は雇用の確保であるという事を忘れてるんじゃないかな。

2005/11/17

 

■飛び入り

 井垣くん(exアンリミテッド・ブロードキャスト、ex太陽の塔)の弾き語りライブを観に行った。目立たないように気を遣うが、驚異的に狭いハコなので無理。結局、ナカジマノブとともに、どうどうと紹介されてしまった。客席にいるのに。しかもライブの後半で「ステージにあがって下さいよ」と。呼ぶんだからなんかプランがあるのかと思ったら何もないんでやんの。とっさに『君といつまでも』を歌っておさめた。こんな正真正銘の飛び入りって、いつ以来だろう。
 アコースティック・ライブというのは素の能力が問われるが、井垣くんのそれはなかなか良かった。声に説得力がある。その気になれば人を泣かせられる歌だと思う。
 なんだか思いがけず楽しい夜だった。

2005/11/18

 

■もうすぐ博多

 リハ。この秋の集大成のようなメニュー。かなり楽しい。百年蔵という会場も雰囲気良いみたいだし、期待大。

2005/11/19

 

■責任

 設計事務所のインチキから発した騒ぎ。見苦しい責任のなすり合いを見て、あの業界にはプロがいないのだとわかった。プロの定義は色々あろうが、第一は自分で自分のケツを持てるという事だと思う。それがむしろケツを他に持たせる事が会社あるいは役所のためであり、そういう者が出世するという構造なんだろう。あの業界に限った話しじゃないけどね。そういう構造は日本全体に共通する。いつからだろう、責任が集団の中で霧散するようになった。責任を上手に回避できる者だけが上に立てるようになった。今どき個人で責任を背負う者は損しかしないのだ。これで若者や子供にどうこう言えるかね。
 リフォーム詐欺が商行為として横行するのも当然。どう見たって同類だもの。

2005/11/21

 

■復活

 高橋尚子復活。小出監督がどうこうではなく、ある程度の経験をつんだ者には「カリスマ的指導者」などいらなくなるのではないか。陸上に限らず、すべてにおいて。指導者に帰依する事で、競技そのものに機械的に集中するのは、成長過程では有効だろうが一度頂点まで行った後は思考停止による弊害の方が大きいように思う。
 それは国全体にも言える。発展途上ならまだしも、成熟した国では「カリスマ的指導者」などいらない。なのに、いまだ英雄が現れて全てを解決してくれる事を待ってるようだ。その方が楽だからね。でも、ないよ。

2005/11/22

 

■シークレット「的」

 お知らせしたように、博多でもう一本ライブをやる。シークレット「的」ライブ。藤原プロがいないので代わりに植中ノンプロが参加。知ってる人は知ってると思うが、彼はアンジーの初代リーダーで初代ボーカリストで初代ギタリスト。バンドの名付け親でもある。しかし、色々あって脱退。以後もギターは弾いていたけど、プロとして活動していたわけではない。果たして今どれほどの力量があるのか未知数。どんなライブになるやら、俺自身まったく読めない。
 しかしまあ、その読めない事も含めて面白いかなと思って企画したんだけど。どうなるんだろうね? でも、博多にはもともとプロとノンプロを区別しないという文化的下地があるから、わりと普通の事かもな。
 なので、明日から先乗りする。あっちでリハをやるために。かつ、あっちで温泉に入るために。長い滞在になるな。

2005/11/23

 

■博多百年蔵

 予想通り、ウタノコリをやるにはグッドな会場だった。客席の方から、とくに後ろから観た時にはどうなのかというのはわからない事だけども、ステージからの眺めは天下一品。当然ライブの出来も良い。
 メニューを決めた時点で、ある程度計算している。その通りに運んだら100点。それを超えるものが生まれたら120点。で、本日は120点。とりわけエンディングは美しかったね。ああいう瞬間が好きなんだ。
 ここでDVD用の収録ライブをやると素敵な作品になるかもな。会場外のあれこれ、思い出の地めぐりなどもからめたりして。
夜の行進
-MC
そこで何かが
極楽トンボ
-MC
八月の暑い午後
そういうメルヘン
ゴルゴダの丘
-MC〜恭一登場
キムとキリムのダイジョーブ
-MC
沈没船
トゥルーロマンス
リックサック
-MC〜恭一退場
わいわいわい
ロカウェイビーチ
すべての若き糞溜野郎ども
新しいメルヘン
-MC
偶然にも明るい方へ
-EN.1
地図
天井裏から愛を込めて
-EN.2
真昼の星々
しあわせになれ

2005/11/26

 

■恭一 at CB

 博多で恭一や幼一、橋本さんらに会うのは妙な気分。初めての事。
 楽屋にいるうちはそうでもなかったのに、いざステージに飛び出ると驚くほどテンションが上がった。思えば博多でバンドをバックに歌うのは久々だものね。
 ライブそのものは、ツアー最終日らしい吹っ切れたものだった。すがすがしい。

2005/11/27

 

■ジュークジョイント

 シークレット「的」だったし、大人の隠れ家だった。後で思ったんだけど、プライベート・ライブという言い方でもハマったかも。百年蔵とはまた違うものを表現出来た気がする。狭いハコで少数の客相手だからこそ、出来る事がある。
 なーんて。実は自分自身、やってみて始めて気づいたんだけど。こんなふうなグっと来かたをするんだ、と。
 植中ノンプロを起用した意味もにじみ出てたし、小さいけれど印象的。俺の中でずっと記憶に残るのはこういうライブだったりする。
雨のパレード
-MC
教えてあげる
しおしおのぱあ
-MC
ウォタルー・サンセット
猫とろくでなし
-MC
セイリング
不幸の手紙
-MC
ジュージュー
白旗カーニバル
素晴らしい僕ら
遠くまで
-MC
ゆきてかえらず
-EN.1
Oh シャンゼリゼ
百万$よりもっとの夜景
-EN.2
私の好きな人
-EN.3
天井裏から愛を込めて

2005/11/29

 

■帰って来た

 帰って来た。珍しくセットリストをあげてみた。この間の半分は山口に滞在。時間の流れ方が東京と違う。一日が長い。ゆったりと楽しい一週間だった。
 今月はインドア活動がメイン。さて、色々とやらなきゃね。

2005/11/30

 

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