■ファイト
週刊ファイトが先月いっぱいで休刊になってしまった。いまやプロレス厳冬期だし、しょうがないかと納得していたつもりだったが、明日になってもキオスクに並ばないのだと思うと急に淋しくなった。25年以上毎週かかさず読んでたからね。
プロレスそのものには正直言って前ほどの熱意を持ってない。会場にもずいぶん足を運んでない。テレビでもほとんど見ない。しかしファイトだけは読んでいた。それは習慣でも惰性でもない。プロレスとは別にファイトそのものが好きだった。プロレスしか扱ってない週刊紙なのに矛盾してるようだが、そうなのだから仕方ない。I編集長伝来のある種ロマンチックな文体とか、タブーだらけのプロレス界でどこまで書いて許されるのか試してるような姿勢とか、今のプロレスに興味を失っていても読んでいて面白かった。
これでもうとことんプロレスと縁遠くなってしまうのだろう。インターネットで情報を拾う気はない。俺にとってプロレスとはそういうもではない。それは常に活字メディアと密接なものであった。ましてや格闘技に鞍替えする気などさらさらない。そもそもライブとレイヴくらいに違うのだ。簡単に興味を移行出来ることの方が信じられない。ミルコのインタビューなど、これっぽちも読みたくない。
大げさではなく、ひとつの時代が終わったのだ。プロレスはなくならないとしても、変わってしまったことは確かで、それは決してもとには戻らないこともまた確かである。そのことをしみじみ考えると泣きそうなほどせつなくなる。
2006/10/02
|