■屁理屈
ヴァージニア工科大学銃撃事件に際しての全米ライフル協会のコメント。「銃は車椅子に乗った女性が悪から身を守ることができるものであって、銃が悪なのではない。」
このような愚にもつかない屁理屈でも聞けば三分の理があるように思える。しかしやはり屁理屈はどこまでいっても屁理屈。拳対拳、刀対刀、弓矢対弓矢、その流れの中でたまたま迎えたピークが銃だったというだけじゃないか。理としては「核は弱小国が悪であるアメリカ帝国から身を守ることができるものであって、核が悪なのではない。」と地続きだもの。
確かに銃は道具にすぎない。しかし道具とは目的を効率よく達するためにあるもので、銃の目的とは人を殺傷すること。そんな道具をいくら美辞麗句で飾ったところで屁理屈以下の糞理屈だ。
しかしあの犯人、犯罪史上ぶっちぎりにカッコ悪いなあ。いや、ちょっと不謹慎かもしれないけど。
メモを見ながらの犯行声明、恋愛がらみという動機の恥ずかしさ、かつて書いた戯曲の稚拙さ、過剰な被害者意識。あれじゃコロンバイン銃撃事件の犯人のように一部でカリスマ視されることもなかろうね。なにより犯行声明ビデオでの格好。元ネタがタクシードライバーと丸わかりの浅さ。この期におよんでコスプレかよ。
あんなカッコ悪いどうしようもない男でも大量殺戮出来たのは銃という効率的な道具があったからこそだからね。それをふまえて全米ライフル協会のコメントを捉えてみて。
2007/4/23 |